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2008-08-12

凛と張りつめて-能面美術館

 東川沿いも西新井に入ると、雰囲気が一変する。春の名所である桜並木も、ここばかりは木陰も濃く、一層風情が増す。

 そんな西新井地区のちょうど中心あたり、千歳橋の端に能面美術館がある。幕末期に建てられたという威風堂々たる長屋門に、重厚な銘木の看板が目を惹く。
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 この美術館を運営するのは、能面作家の福山元誠さん。福山さんは、工房としてここで作品を創りながら、その一部を展示している。2001年4月、能面の普及のために開館したそうだ。

 能面は、これまた長屋門に負けぬ堂々たる母屋で展示されている。玄関を入って左手、元は土間であったろう空間の壁一面に20点ほど。さらに、玄関右手の大座敷の奥にも、十数点ほどが飾られている。
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 一般に能面というと、いわゆる「女面」を思い浮かべるが、展示された作品を見ると、実に多彩な面があること、そして、その一つひとつの表情が実に豊かであることがわかる。

 「幽玄」と表現すればよいのだろうか。絶対に生身の顔ではないことは頭でわかっているのだが、自分の中の何かが妙に反応してしまう。そして、怒るでもなく、笑うでもなく、積極的な「意味」を打ち出さない微妙な表情が、見る者の心をざわつかせる。

 その一方で、狂言面のユーモラスな表情には、ほっと心救われる素朴さがある。面の一つひとつに解説も付いていて、「空吹<うそぶき>」と題されたひょっとこ面には、「お神楽の『火男』がなまって?ひょっとこ?となった」などと書かれてあり、興味を惹く。

 福山さんが、つてあって、この古い長屋門のお宅に移ってきたのは10年ほど前。家主からお借りするとともに、建物や所蔵品の管理も任されているそうだ。所蔵品は、以前このお宅で使われていた糸車鉄瓶行灯などで、一般には公開していないが、団体客や地元小学生の地域学習など特別の時に「鉄びん横町資料館」として公開されているという。「鉄びん横町」の由来は、別稿を参照されたい。
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 また、美術館では展示のほか、月に2回、開館と同じ日に能面教室を開催している。カリキュラムは、小面<こおもて>・<おきな>・増女<ぞうおんな>・中将<ちゅうじょう>・般若<はんにゃ>という5面。素人でも、おおよそ1年に2面程度ができあがるという。そのほかにも、北原町や新宿、川越などでも教室を持っているそうだ。

 古民家の凛とした空気に包まれて、古典芸能の世界を堪能する。なかなか張りつめた一時が過ごせる場所である。
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■能面博物館
■福山元誠さんインタビュー(『月刊武州路』より)
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theme : 埼玉県
genre : 地域情報

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